くるみん・プラチナくるみん取得実績ありの人事課長が提案する男性育休取得率を上げる3ステップ

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男性の育児休業取得促進のイメージ画像
愛ある人事課<br>愛課長

愛ある人事課
愛課長

ご安全に!
今回は男性の育児休業取得率を上げる手順を説明します。

ご安全に!
男性の育児休業は政府も促進していますが、どこの企業も取得率が増えずに苦労しているみたいですね。

男性社員<br>トモさん

男性社員
トモさん

そうなんです。各企業の人事総務部の方も苦労しているのではないでしょうか。

また、男性社員やその家族も本当は取得したい(してほしい)と思っていてもできない状況があるのかと思います。今回はそのような企業で取得が伸びるための方法を精神論だけでない現実的な方法を説明していきたいと思います。

育児休業制度のあるべき姿

今回紹介する育児休業制度の考え方を下の図で示しました。

男性の育児休業取得を進める理由

そもそも企業はなぜ男性の育児休業取得を進めないといけないのでしょうか。
大きくは下記の4つの理由があると思います。

企業としての社会的責任

少子化への対策として、性別役割意識の解消などが求められています。

こういった社会や政府の要請に企業として、率先して取り組んでいくことが企業の社会的責任を果たすことになります。

社員のエンゲージメント向上

共働き世帯の世帯の増加や個人のワークライフバランス意識の高まりにより、男性の中でも育児休業を取得したい人が増えています。

出産後の配偶者の体調を見て、なんとかしたいと思うことや、生まれたばかりのこどもとできるだけ一緒にいたいという男性が増えています。

また、上司や同僚の中にも、こどものいるメンバーには育児休業取ってほしいと思っているひとも増えてきています。

そのような社員の思いをくんで、男性の育児休業を促進することで、社員のエンゲージメントを向上すると考えられます。

採用競争力アップ

有名企業や大企業なら採用活動を行っても志望する学生が多いかと思いますが、私を含め、学生の応募が少なく悩まれている人事の方も多いと思います。

そのような企業が採用競争力を上げる一つの手段として、厚生労働省のくるみん(次世代)の認定を取得することがあります。

その認定要件の中に男性の育児休業取得率が設定されています。

認定要件(男性育児休業取得率)
トライくるみんマーク7%以上
くるみんマーク10%以上
プラチナくるみんマーク30%以上
※300人以下の事業所の場合、特例あり。
詳細は厚生労働省の情報をご確認ください。

また、今の就職活動や転職活動されている方の中にも、働き方の多様性やワークライフバランスの観点から企業を選ぶ際に男性の育児休業を取得率を確認される方も増えています。


これらのことからも男性の育児休業取得率を上げることは、採用競争力のアップにもつながります。

働き方改革・ダイバーシティ推進

共働き世帯が増え、家族を介護しなければならない人の数が男女ともに増加しています。

また、個人の仕事に対する価値観の多様化からこれまで以上にワークライフバランスの重要性が増してきています。

つまり、家庭や個人の生活を犠牲にし、長時間労働を行うという働き方を改善していくことが求められています。

誰かが休んでも業務が回る体制づくりや業務改善、効率化を推進する必要があり、男性の育児休業取得がそのきっかけにもなります。

休む前に、業務の整理をする、引き継ぐためのマニュアルをつくるのもちょっとしたことですが、効率化の第一歩となります。

こうした業務改善により、誰かが休むと業務が回らなくなるという体制を変えることができれば、育児や介護、病気の治療などの制約のあるひとも趣味や副業などの時間をもちたいひともみんなが働きやすい企業に変化していけることにつながります。

この3ステップの重要なポイント

具体的なステップに入る前に、この方法を進める上での重要なポイントを解説します。

下図の通り、そもそも育児休業とは、会社が決めたものが育児休業となります。

これまで、出産した女性が産前産後休暇に続けて育児休業をとることが多かったため、

育児休業=1年くらい休むものという思い込み

を持っている方もおられます。

その思い込みがあるため、”男性も1年くらい休まないといけない”というイメージで取得が促進されなかったり、取得に二の足を踏むことがあります。

また、育児休業を取得すると条件により社会保険が免除されます。

その社会保険料免除もうまく取れば、1日の取得だけでも対象になります。

社会保険の制度がそうなっています😊。(参考:日本年金機構HP

今回お伝えする制度はこの考え方とルールをもとにしています。

(※訂正:上図の一番下の部分は月初まででなくても31日までが育児休業であれば免除対象になります。)

取得率を上げる具体的な進め方

では取得を促進するための具体的な進め方をみていきましょう。
おおまかには以下の3つのステップですすめていきます。

ステップ1 積立有給休暇制度の導入

失効した有給休暇を積み立てる積立有給休暇制度(企業により名称はストック休暇・失効年休積立制度など)を整備します。

積立日数は、40~60日で設定している企業が一般的なようです。この制度は、社員にとって休業した際の収入が保証される保険のようなものになります。

この休暇制度と用意し、育児休業時に使用できるようにします。

ステップ2 育児休業規程の整備

次に育児休業規程に下記を織り込みます。

1日からの取得可能を明記する

厚生労働省のモデル就業規則では”1年を限度”、”必要な期間”取得できると記載されています。

また、これまで育児休業は女性が1年以上取得する場合が多かったことから

育児休業=1年くらいの長期で取得するものという思い込み

を持っている人が多いと思います。

この思い込みが男性の取得を阻害するとともに、企業や管理職も取得の促進をためらう要因になっていると考えられるため、1日からの短期間でも取得できることを明記します。

取得するための申請期限に柔軟性をもたせる

上記の育児休業の思い込みもあり取得する際は早めに申請するように規程されている企業が多いと思います。

実際に厚生労働省のモデル就業規則でも1ケ月前(1歳6か月以上の子の場合は2週間前)になっています。

有給休暇も計画的に取得できるのが一番良いですが、実際は1ケ月前から予定をたてるのは難しいのではないでしょうか。

これが育児休業になると、こどもやパートナーの体調や状況により、さらに先から計画をたてるのは難しいでしょう。この事前申請の期間が長いことも取得を阻害する要因になっています。

申請自体に柔軟性をもたせるために例えば1週間前までに申請、場合によっては前日までなどに設定します。

育児休業時にステップ1で制度化した積立有給休暇を利用できるようにする

もう一つ取得を阻害する要因として考えられることは、休業すると欠勤扱いになり、収入が減ってしまうことがあります。

収入減の心配をなくすために、育児休業時に積立有給休暇制度を使用できるようにします。

ステップ3 取得促進の広報活動

上記のステップ2まで整備しても、うまく取得を促さないと促進はすすみません。

ここで重要なポイントは下記の2点です。

  • 積立有給休暇制度を利用した育児休業取得では給与が減らない。
  • 取得する日によっては、短期間の取得でも社会保険料が免除される。

これを上記の制度改定とあわせて、周知することで、

”育児休業は長期取得しないといけなくて、休業中は欠勤扱いで給与が減るという思い込み”

を解消し、取得のハードルを下げることができます。

反対意見への対策

男性社員<br>トモさん

男性社員
トモさん

でも、そんな社会保険料免除のために1日だけ取得するのって、そもそもの育児休業取得促進の本質ではないような…

そうなんです。社会保険料免除のために1日だけ取得することだけを促進してもなにの意味もないのです。

でも、男性の育児休業取得を阻害している要因の一つとして、

「育児休業を取る」とを言う(申請する)だけでもハードルが高い

ということがあります。

職場や上司の中にはアンコンシャスバイアス(この話はまた別の機会にしたいと思います^^;)があり、男性が育児休業を取得しづらくしています。

そのような職場でも有給休暇で1日休みをとることは可能でしょう。

その1日の休みを有給休暇の代わりに育児休業として申請することで、育児休業取得すること自体のハードルが下がるのです。(1日休むという事実は同じなので^^;)

そしてこの取得の仕方の特徴として、1日だけの取得だけでなく、月末の稼働日~翌月の頭に取得するパターンもでてきて、1~4日くらいの取得が一般的になってきます。

そうして、数日の育児休業を取得する人が増えてくると、育児休業を取得するハードル自体が下がってくるので、1週間、1ケ月、数か月ととる人が徐々にでてきます。”1日の育児休業”というのは些細なことに思えるのですが、それが取得を阻害する精神的なハードルを下げるということにつながるのか一番の狙いなのです。

実際の効果

これは私の経験上の話しかできませんが、この手順を実施した企業は取得が必ず増加しています。私の所属した2社はもちろんですが、社外の人事総務部門の方との会合などでもこの手順を説明し、導入された企業は多くあり、どの企業も取得をのばされています。

取得を促進したい企業の方は、一度ご検討ください。

私もさっそく取得したいと思います!
休むための準備しないとっつ

男性社員<br>トモさん

男性社員
トモさん

愛ある人事課<br>愛課長

愛ある人事課
愛課長

ぜひぜひ!
社会保険料の免除もあって家計にもうれしいですからね!
それではご安全に!

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