ご安全に!
愛さん、新入社員教育担当を任されました。
気を付けないといけないことを教えてください!
愛ある人事課
ひかるさん
愛ある人事課
愛課長
ご安全に!
ひかるさんに任せれば安心ですが、担当する上で一番最初にすることをお伝えします。
私のプロフィールはこちらです。
目次
新入社員教育担当者が一番最初にすること
教育担当者が一番最初にしなければならないことは
教育担当者のあなたと新入社員との間で
心理的安全性をつくることです。
新入社員は研修を終え、各部門に配属されて仕事を覚えていくことになります。
知らない人ばかりの中で、わからない仕事を覚えていかないといけないです。
みなさんも経験されていることなので、わかるかと思いますが、不安でいっぱいですよね。
そこで心理的安全性が大切になってきます。心理的安全性とは何でしょうか?
心理的安全性とは
心理的安全性はハーバード大学の組織行動学者であるエイミー・エドモンドソン先生が提唱されている理論です。
心理的安全性のある環境とは,アイデアや疑問,懸念を積極的に発言し,失敗することを恐れず,さらに失敗したことから学習するもの
Edmondson, 2012
簡単に言うと、
自分の考えを安心して発言でき、学習していける状態
のことといえます。
エドモンドソン先生が心理的安全性を提唱されたTEDはこちら↓(面白いです^^)
この動画の中でエドモンドソン教授は、心理的安全性に気付くきっかけとして声が必要なときの沈黙のエピソードとして下記の例をあげています。
- 医師の投薬量が多いことに気付いた看護師
- 上級士官がミスをしていることに気付いたパイロット
- 勢いのある企業に入り、買収計画に重大な懸念があることに気付いた新入り上級管理職
これらの人がミスに気付きながらも、自分が間違っているのではないか、自分の勘違いだと思い、沈黙してしまう。そしてそれが組織や個人の学習や成長を阻害してしまう。
逆に、心理的安全性がたもたれているとメンバーは学び、組織に貢献することができると話されています。
これからあなたは新入社員を教育していきますが、心理的安全性がたもたれていることで、あなた自身も学び、そしてあなたの組織が成長することができます。
心理的安全性を高めるため具体的にすること
では具体的にどうすれば、心理的安全性をつくることができるでしょうか。
3つのステップにわけて説明します。
STEP1:心理的安全性の前にお互いの関係性、ラポール(信頼関係)を築く
- 新入社員へ歓迎している・興味を持っていることを伝える
- 教育担当者の自己開示をする
新入社員へ歓迎している・興味を持っていることを伝える
配属されれば、一番最初に部門のみんなで自己紹介しましょう。
それぞれが自分の業務内容はもちろんのこと、趣味などを話すのも新入社員が共通点をみつけるのに役立つでしょう。
また、その時に歓迎していることを言葉と態度でしめすと良いと思います。例えば
「〇〇さんがくるのを、みんなワクワクして待っていたよ!」
とか簡単なことを笑顔で伝えるだけでも新入社員は安心できるでしょう。
また休憩時間や食事の時にはなしかけたり、何気ない会話をすることも興味を示すことになります。お互いに、なんとなく気まずくて、スマホに逃げるのは避けましょう😅
教育担当者の自己開示
次は教育担当のあなた自身がどのような人なのかを新入社員に自己開示しましょう。
あなたがどのような経験をしてきたか、いまどのような仕事をして、何がモチベーションか、可能であれば家族のことなども話せると、新入社員はあなたをよりよく理解することができるでしょう。
STEP2:あなたの組織になじませる
- 教育担当者の社内外のネットワークを共有する
- 社内の風土・慣習など見えないものも伝える
教育担当者がもっている社内ネットワークを共有する
例えばあなたの席に、違う部門の方が何かの用事で来られたら、新入社員を紹介してあげましょう。
そのようにしてあなたのネットワークに入れてもらえるのは新入社員にとってもうれしいですし、あなたも違う部署の人に伝言や書類をわたしてもらったり、することもできるようになるので、お互いにメリットがあります。
社内の風土・慣習など見えないものを伝える
たとえば、ごみの捨て方や電話の出方(部門名・会社名だけでなく、名前もいったほうが良いのかなど)ほんとに些細なことも教えてあげましょう。
意外と周りの人が新入社員の行動のそういった細かいことを気にして、「今年の新入社員は…」とかいうことがありが、そういうしょうもないこと😅で新入社員の評判をおとすことを避けられます。
STEP3:心理的安全性をつくる
- 質問しやすい雰囲気をつくる
- おかしい、疑問に思うことも遠慮なく言ってもらう(言われれば受け入れる)
- ミスをしても責めず、原因を一緒に考える
質問しやすい雰囲気をつくる
新入社員にとって質問しやすい雰囲気とはどういうものでしょうか。
教育担当のあなたが忙しそうに仕事をしていると、話しかけづらいでしょう。
なので、あなたはこの”市井の名言”を最初に新入社員に伝えてはどうでしょう!
おかしい、疑問に思うことも遠慮なく言ってもらう(言われれば受け入れる)
初めて知る業務に対して、「なぜこんなことをするのか」、「違うやり方のほうが簡単なのに」と新入社員が思うこともあるでしょう。
そんなときも「生意気な~」と思わずになんでも言ってもらいましょう。
長く仕事をしていると当たり前にやっていることでも、意外と不要なことやもっと効率的にできることがあるものです。
まずは「いってくれてありがとう!」と素直に受け入れてみましょう。
ミスをしても責めず、原因と対策を一緒に考える
初めてやる仕事なので、ミスも勘違いもあるでしょう。
ただ、そんなときもなぜそこで間違ったのか、ひょっとすると教え方やマニュアルが分かりにくかったのか気付くチャンスです。
新入社員を責めずに、次に間違えないように一緒に原因と対策を考えましょう。
中途入社者も派遣社員も人事異動も同じ
これまで新入社員を対象としてお話をしてきました。
もう、みなさんもお気づきの通り、この心理的安全性をつくるというのは、中途入社者や派遣社員、異動してきた人、新しいプロジェクトで集まったメンバーなどどんな場合にも当てはまります。
そう考えると生産性高く、ミスをなくし、成長できる組織には必ず心理的安全性が必要です。結果をだすために、組織のメンバーぞれぞれが上の具体的な行動をとれれば、より早く結果につながる組織を作れるはずです。
最後に
心理的安全性について、エドモンドソン先生は下記のように言われています。
心理的安全性は,自動的に作られるようなものではなく,リーダーによって醸成されるもの
Edmondson
今回の話で
教育担当者のあなたと新入社員との”間で”心理的安全性をつくる
としているのはこのエドモンドソン先生の言われる通り、あなたがリーダーとなって二人の関係の中で、心理的安全性を醸成していただきたいからです。
また、先生はこうもいわれています。
心理的安全性は,単に居心地がよかったり仲が良い環境といったものではない。ゴールに向かって,厳しい意見を言い合えるようなチームの環境であり,特性である。反対意見が期待されたり歓迎されたりすることで,生産的な話し合いや問題の早期発見につながる
Edmondson
愛ある人事課
愛課長
いかがでしたか?
心理的安全性ってできているようで、本当に厳しい意見を言えるまでになるのって難しいですよね。
でも心理的安全性というだけあって、こういう環境ができるとほんとに安心して仕事ができます。
意識して取り組んでいきましょう!
ご安全に!
エドモンドソン先生の引用の出典:心理的安全性とアジャイル・アプローチ(著:平井直樹氏)